読書ログ

インターネットの読書サイトでは、足下にも及びそうもない読解力、その高度、高次元の感想がひしめき、自分が読んだ本の感想文など、書く気力が失せてしまう。
丸谷才一文章読本』、斎藤美奈子文章読本 さん江』くらいを読んだだけでは、この自分の頭には効果がないようだ。谷崎潤一郎文章読本』を読んでも同じだろうとあきらめる。小谷野敦『病む女はなぜ村上春樹を読むか』で痛快と思っているようじゃだめだ。
ヴェネツィアを訪れたとき、群青色の夜の空から♪リゴレットや♪ラ・トラウィアータのヴェルディが聞こえてきそうな気がしたが、ここに緒方洪庵の息子、緒方惟直の墓があったのは後日、矢島翠『ヴェネツィア暮し』を読んで初めて知った。須賀敦子ベネツィアの宿』に触発されヴェネツィアをさまよい、フェニーチェ劇場は火事があった後で残念な思いをしたが、翠さんの案内は住み暮らした人でなければならではのノウハウが凝縮されている。さらにジャーナリストとして世界を訪れた経験がさりげなく添えている。ヴェネツィアを訪れるとき是非携えていただきたい1冊です。
トリエステの坂道』静かな静かな街でサバの詩を口ずさみながら歩いた須賀敦子さん、その著書で『ヴェネツィア暮し』を教えていただいて感謝です。