用足し

さる英国人が、日本の便所は四季折々が楽しめて素晴らしい、と随分前に読んだ本に書いてあった。
目黒雅叙園のトイレも豪華で広く気持ちよく用足しができる。
奈良地方を旅行したとき、ある旅館の便所が3畳敷きだった。まるで大名のような用足しで、ここから見る景色も庭園が手入れされていて楽しめた。
青森県十和田湖近く、酸が湯温泉のトイレも、新緑を満喫しながら下を流れる小川の清流がなんとも印象的だった。
知人が新疆ウイグル自治区へ旅行してきた、と連絡があったので半信半疑会ってみることにした。
日本人で同地へ行ったのは河口慧海しかいないのではないか。ヘイデンの探検隊の世界だと想像しているからだ。
「いつの時代の話をしているんだ」と一笑に付されてしまった。挙げ句「ミイラに触ってきた」と聞いたら俄には信じがたい。
「便所が外にあってその大きいこと、穴も大きい、覗いてもどこが底だかわからない、してもなかなか音がしなかった」と聞いたらますます信じがたい。
先出の英国人が、おしりを拭くには桜紙が最高だとも書いてあった。
むかし、友人宅の便所を借りたところ、拭き紙を見ると”手錠のかけ方”と印刷されてあったのにはびっくりした。
出るものも出なくなってしまった。友人の父は警察官だった。