『エッセイの書き方』を読む

13人のエッセイストがエッセイを書く上での心構え、技術を教えてくれる。エッセイとは何かという定義から入るエッセイストが数人いたが、これは定石なのか。必要ないと思う。
 
これだけの人が書いていると、じっくり読みたいエッセイと、飛ばし読みしてしまうエッセイと分かれてしまう。
 
伊吹和子『「草原の記」を読む』は、モンゴル婦人、ツェベクマさんの4カ国をわたる国籍の変遷と、夫との死別、娘さんのソ連留学、中でも彼女の師、高塚シゲ子さんの教えとその死がこれからの国際交流、わけてもアジアに目を向けなければならない姿勢を重視すべきと印象に残った。
 
太田愛人は十数年前にNHKで『パウロの手紙を語る』で出会って以来、勿論テキストの上だけですが、久しぶりに読ませていただきました。「自然の中で自覚的に住み、経験を重ねて観察を鋭くし、思索を深めることによって都市の読者に感銘をあたえるエッセイが贈られる」は彼の柏原時代の経験が生かされているようだ。
 
極意が伝わってくる人と来ない人、エッセイ講座の講義を受けているような文章と、さり気ない書き方の中に「いい作品の条件」を教えてくれるものと様々だが、エッセイというより、文章の書き方として大いなる収穫を得た。