プルーストは一年がかりに

プルースト失われた時を求めて』吉川訳、第三巻を読んでいる。このペースで行くと全巻読み終えるのに、後一年はかかりそうだ。
 
スワン家のアパルトマンが私たちでも住める程度のなんの変哲もない建物だとする破壊思想を、信心深い人がルナンの『イエス伝』を遠ざけたのと同じく、自分から永久に遠ざけた。
 
語り手の私も作家も 比喩、引用が西洋の文学、ことに古典からが豊富で、読んでいる自分の脳を刺激してくれる。今回はルナンの『イエス伝』へ横道に一時逸れそうだ。モーリヤックも『イエス伝』ではこれまで最高と思ってきたがどうだろうか。
 
古典の知識で『箱根八里』を作詞した鳥居枕などはそのリズミカルさに感激してしまうが、邦人の作家では中島敦か。最近の受賞作家の中には見当たらなく、我が国や東洋の古典文学の豊富な知識を反映した作品がないものだろうか。